「ESD×水衛生」の教材開発
報告日時:2022年4月26日
報告者:佐々木緩乃
こんにちは、琉球大学大学院保健学研究科博士前期課程2年の佐々木と申します。
今回は、参加させていただいている「日本、ラオスの教員養成校等における教材開発(ESD×保健教育)の実証研究」の中で、担当している「ESD✕水衛生の教材開発」についてご紹介します。
まず、ESDとは、Education for Sustainable Developmentの略であり、持続可能な開発のための教育と訳されています。ESDとは、環境、貧困、ジェンダーなど現代社会の問題を自分事として捉え、主体的に問題解決(Think globally, Act locally)に取り組むことで、持続可能な社会の実現を目指して行う学習活動のことです。
文部科学省より、ESDの達成に向けて提示されている持続可能な社会づくりのための課題解決に必要な以下の7つの能力・態度(1. 批判的に考える力、2. 未来像を予測して計画を立てる力、3. 多面的・総合的に考える力、4. コミュニケーションを行う力、5. 他者と協力する力、6. つながりを尊重する態度、7. 進んで参加する態度)を身に着けることができる教材となるよう、国際学校保健コンソーシアムのメンバーのみなさんから意見をもらいながら開発を進めています。
水衛生分野では、新型コロナ感染症の拡大をうけて、中学生を対象とした手洗いに関する教材を作成しています。手洗いは感染症対策の一つとして重要性が高まっています。その中で、手洗いの啓発活動にナッジ理論の導入が着目され、海外では学齢期のこどもたちに対し、手洗いの啓発活動に関してナッジの導入が効果的であると報告されています。そこで、感染症対策の一方策としての手洗いの実践、またその実践を促すためのナッジ理論を用いた啓発活動のアクションプラン企画の教材の開発を行いました。
現在は、開発教材をラオス・ネパールに展開すべく、各国のカウンターパートと教材内容について検討会を行い、より良い教材の開発に向けて取り組んでいます。
ナッジ理論とは?:「Nudge(なっじ」とは、肘でそっと押す、という意味です。自然とやってみたくなる「仕掛け」をつくることで行動を促すことがナッジ理論です。