ネパール-タイ学校保健研修・概略
本研究会の理事長の小林潤と、理事の友川幸が、タイで行われたネパールの地方行政官を対象とした学校保健研修の講師を務めました。主催 ACIPAC(国際寄生虫対策アジアセンター) ・タイ国・マヒドン大学熱帯医 学部
共催 JICA ネパールSHNプロジェクト
後援 JICA ネパール
技術協力
小林潤(長崎大学大学院国際健康開発研究科、国際医療研究センター)
友川幸(信州大学教育学部)
背景
ネパール学校保健・栄養改善プロジェクトでは、2008年度から2010年度まで毎年日本でカウンターパートのための学校保健分野の研修を実施してきた。2011年度は、ネパールの実情に近い状況での学校保健の現状を学ぶため、12月にタイ、ラオスで研修を実施した。
研修の目的
現場での学校保健事業担当者にタイの進んだ事例を参考に、学校保健・栄養プログラムの改善のための具体的方策を考える機会を与える。
対象
ネパールJICA学校保 健栄養プロジェクト関係者合計12名(国立教育開発センター、カリキュラム開発センターから各1名、保健人口省本省から2名、プロジェクト対象郡であるシ ンドゥパルチョウク郡とシャンジャ郡の郡教育事務所、郡保健事務所から8名、SHNプロジェクトオフィサー1名)
期間 2011年12月13-24日 12日間
研修内容
タイの地方、学校レベルでの実践のシステムの説明と学校保健実践の現地視察。
プライベートセクター(ネスレ、Collgate)との連携の紹介
1. タイでの研修は、長年日本から保健分野での協力が行われてきたバンコク のマヒドン大学熱帯医学部で実施された。講師には、同大学の教員やタイ公衆衛生省や学校の関係者に加え、以前同大学にJICA長期専門家として派遣されて いた長崎大学大学院国際健康開発研究科の小林潤准教授と、当プロジェクトの短期専門家として活動した信州大学教育学部の友川幸助教が現地に赴き、講義以外 にも様々な補足的指導をした。
2.タイでは、公衆衛生省の主導で学校保健は行われており、公衆保健省の予算によって全公立校での年間授業日数200日の学校給食、365日の牛乳配布が実施され、寄生虫予防プログラムやマラリア予防プログラムなどが実施されていた。
3. タイの学校環境は非常に良く、地方の学校であってもネパールより格段に整備されていると言えた。学校が予算を捻出するために独自で行っている、校内での野 菜栽培や家畜飼育とそれらの販売や、民間企業からの学校保健に関する教材キットの提供など、ネパールでも実施可能な工夫が見られた。このような学校視察で の気づきや、タイ公衆衛生省や日本人講師などからの講義やディスカッションでの学びを踏まえ、ネパール研修員は今後の自分自身の行動計画を作成している。
詳細は、以下のHPを参照:http://www.jica.go.jp/project/nepal/002/news/general/20120112.html