第13回 Global Child Nutrition Forumがケニアナイロビで開催されました! 2011年5月3~7日
ケニアPCDインターン 長崎大学大学院国際健康開発 野上ゆき恵
Global Child Nutrition Forumは、主催国政府、GCNF(Global Child Nutrition Foundation)およびPCD(Partnership for Child Development)が主催となり、持続可能な学校給食プログラムの計画・実施を行う開発途上国のリーダーを支援するために毎年開催されているフォーラムです。
今年は、「自給自足による持続的な食糧/栄養確保の為の学校給食と農業開発の連携」‘linking agriculture development to school feeding to achieve long-term food and nutrition security with resulting country self-sufficiency.’というテーマのもと、保健省、教育省、農業省、地域開発省や国際NGO関係者、その他WBやWFPなどから22カ国約90名が参加しました。
このフォーラムの根底にあるHGSF(Home Grown School Feeding program)という概念は、地元の農作物を増やすことで地方経済を刺激する一方、この農作物を学校給食と結び付けることで、将来を担う子どもたち(特に女子学生)の学校への出席率・学習成績、また健康・栄養状態を高めるという考え方を表しています。
参加者たちは5日間のフォーラムを通じて、講演やグループワーク、フィールド見学、ワークショップに参加し、学校給食に関する成功例や今後の課題、技術的な知識、財政的な戦略など、プログラム計画・実施に重要なアイデアや情報を交換しました。
フィールド見学として、3つのうち1つのグループはナイロビからバスで2時間ほど離れたマサイ族の村、Narok郡にある全校生徒585名の小学校へ視察に行きました。ここでは生徒がクラブ活動でトウモロコシなどの野菜を作っていますが、農業省やWFP, またNGOの支援でできた井戸や灌漑を使用した菜園、象などの野生動物除けのソーラーを電源とした電流鉄線などにより安定した収穫につながっています。これらの収穫物は全学期間を通じて給食の一部として提供され、また販売される事で他の給食の食材を買う資金の一部とされています。
これらは保護者やコミュニティーの協力により設置されている。
また、以前は若年結婚や、登校距離が長い事などにより女子学生の登校数が少ないことが報告されていました。しかし学校給食が始まり、150名の女子学生が寄宿するためのドミトリーができたことでプログラム導入の2006年から2011年にかけて女子学生の入学数は54名から259名へと約5倍に増えたとのことです。また男女とも学力テストの平均スコアも上昇傾向にあるとのことです。
今後の課題としては収穫量を上げるための農業技術向上、貯水方法の確立、若年妊娠によるドロップアウト、男子学生のドミトリーの確保などが報告されていました。
このフォーラムの最後の講義では効果的な学校給食プログラムを実施するためのステップを紹介するため、Global Child Nutrition Foundationにより作成された、School Feeding Toolkit の使い方に関するワークショップが開かれました。
またフォーラムの最後には アフリカの国家に対して、Home Grown School Feeding programsの設立と拡大に関して、法律制定と国家政策を通じて緊急に取り扱うことが再度問いかけられ、閉会を迎えました