養護教諭になるための教育実習ってどんなもの?
報告日時:2022年6月27日
報告者:中山桂子
長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科 国際健康開発サテライトコース2年の中山桂子です。現在、私は、養護教諭として小学校に勤務しています。
5月30日~6月17日まで、養護教諭養成課程の大学に所属している、大学生の教育実習を担当しました。日本の学校教育独自の職種である養護教諭。今回は、その養成課程のひとつである教育実習について紹介したいと思います。
養護教諭として働くためには、養護教諭の免許状を取得する必要があります。 一般的には、大学・短大・専門学校の養護教諭養成課程のある教育・保健・看護系学科などを卒業することで取得できます。その養成課程として法律で義務付けられているのが、「養護実習(教育実習)」です。
今年度の教育実習では、3つの点を中心に実施しました。①児童との交流を大事にする ②保健指導を行う ③学校現場の困難な点も感じ取ってもらう です。
「児童との交流を大事にする」
養護教諭はクラスを持つということはありませんが、保健室の中で出会う児童の様子だけではなく、幅広く児童の様子を見てほしいとの思いから、実習生には、授業を行う予定の3年生の学級に入る時間を設けました。朝の会、給食準備、掃除、昼休みと学級に入り、児童と交流してもらいました。児童への支援の大事な基礎となる児童理解には、保健室内で得られる情報(児童の様子)だけでは十分とは言えません。あらゆる場面での児童との交流を通して、児童理解を深める機会を提供しました。
「保健指導を行う」
熱中症をテーマに保健指導を3年生に行いました。汗の量クイズによる導入。熱中症の症状、応急処置、予防について、話し合い活動やロールプレイを用いて、児童が主体的に学べるように工夫していました。
「学校現場の困難な点も感じ取ってもらう」
保健室での実習では、けがや具合の悪い児童への対応も行ってもらいました。医者でもなく看護師でもないという立場で、状況を判断し応急処置を的確にしなければいけない難しさを感じたと思います。また、丁寧な保護者対応、多様なニーズを持つ児童への支援など、様々な役割があることを理解してもらいたいと思いました。そういった点を、可能な範囲で、実習生にもお伝えし、学校現場の実際を見てもらうようにしました。
3週間という短期間の中ですが、学校現場で働くことの大変さや、子供たちとの関りの中での楽しみ、喜びを少しでも感じてとっていってもらえればと思い指導にあたりました。将来、学校現場で児童のために働ける人材になっていってもらいたいと願っています。
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