ネパール・フィールド調査活動報告
報告日時:2025年12月19日
報告者:山口真美
2025年12月7日から14日にかけて、神奈川県立保健福祉大学の城川美佳先生、信州大学の友川幸先生、松山東雲女子大学の山口真美の3名は、ネパールのカトマンズおよびその近郊において、CSE(包括的性教育)とECD(乳幼児期の子どもの発達)に関するフィールド調査を実施いたしました。
今回の訪問の目的は、①教育省および国連人口基金におけるCSE担当者への聞き取り、②教育省および関連パートナーにおけるECD(乳幼児期の発達)担当者への聞き取り、③CSEおよびECDに関する人材開発を担う機関への訪問、④学校教育現場(就学前教育施設、小・中学校)の視察の4点です。
主な活動内容は以下の通りです。
まず、教育省傘下の教育課程開発センター(Curriculum Development Center)を訪問し、健康教育および就学前教育の各責任者から、現行の制度やカリキュラムの構造、それらの課題について説明を受けました。折しも、健康分野の教科書改訂会議が開催されており、その貴重な様子も見学させていただくとともに、専門的な見地からの意見交換を行う機会にも恵まれました。
続いて、ネパール家族計画協会 (Family Planning Association of Nepal)および国連人口基金(UNFPA)ネパール事務所を訪れました。ここでは、ネパールにおけるCSEに関する取り組みの成果と課題について、国際的かつ現場の文脈を踏まえた知見を得ることができました。
教員養成に携わる機関においても情報収集を行いました。
初日には教育・人材開発センター (Centre for Education and Human Resource Development)を、別日には教員教育センター(Teachers Education Center)や、カブレ郡ドゥリケルにある州立訓練センターを訪問しました。
これにより、中央レベルで設計される研修が、地方レベルにおいてどのように具体化され、教員現職研修の実施に至っているかという構造を把握することができました。
さらに、カトマンズ郡内の2つの学校への視察が叶いました。実際の教育環境や子どもたちの様子を拝見し、教育・保育の体制や内容、教材を確認しました。
特にCSEに関して、スクールナースの導入が学校や子どもたちにどのような影響を与えているかについて、スクールナースの方や校長先生から直接お話をうかがえたことは大きな収穫でした。
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