デング熱に関するKAP調査
報告日時:2024年8月27日
報告者:竹内理恵
デング熱はフィリピンにおいて公衆衛生学上重要な感染症の一つです。我々はデング熱に関するKAP(Knowledge:知識、Attitude:態度、Practice:行動)調査を実施し、研究結果をまとめた論文を発表しましたのでお知らせします。
フィリピン、パンパンガ州サンフェルナンド市内の公立小中学校に勤務する教員を対象としてデング熱に関するKAP調査を実施しました。学校の教員を対象としたのは教育を通しデング熱に関する情報を発信する役割を担っているからです。デング熱に関する情報源として最も多く挙げられたのはテレビで、医療施設のスタッフは最も信頼のおける、一般的な情報源として挙げられました。デング熱の治療と予防に関する知識が高い人は蚊に刺されないようにする行動をとりやすく、デング熱の症状と予防についての知識が高い人は蚊の繁殖地を予防する行動も取ることがわかりました。
KAP調査結果より、フィリピンの教員が十分に高いデング熱に関するヘルスリテラシーを有することがわかりました。しかしながら、高いヘルスリテラシーに加えデング熱に対する政策、プログラム、戦略があるにもかかわらず、フィリピンのデング熱の症例報告は増えています。デング熱のないフィリピンを実現するためには、対象人口に効果的に働きかけるようにデング熱予防プログラムを調整し、より有効な影響を与える必要があります。
論文掲載先リンク
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10941585/
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