台湾でフィールドリサーチを実施しました
報告日時:2024年2月21日
報告者:三浦 遥
大阪大学人間科学研究科国際協力学で修士課程2年の三浦遥と申します。
2024年2月18日~21日間で実施した台湾台北市でのフィールドリサーチに関してご報告いたします。
今回の渡航では教員4名と学生4名で、台湾台北市における月経施策の調査をしました。
2月といえど、台湾では日中は30度を超えており、強い日差しに負けじと街中を練り歩きました。
台湾では2022年から台北メトロ(民営地下鉄)のトイレ内に生理用品が設置され、だれでも許可なく無料で取れる取り組みが実施されています。
台北メトロのホームページで記事が記載されています。
以下のURLより閲覧いただけます。
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また台北市内をはじめ、多くの教育機関においても、校内のトイレに無償の生理用品が設置されています。本フィールドリサーチにおいては、駅と学校で設置されている無償提供されている生理用品の使用・管理状況を確認しました。
今回訪問できたのは、2駅、1大学でしたが、3箇所ともトイレ内の無償生理用品が撤去されていました。
駅では車掌室にいたスタッフに、大学では保健センターのスタッフに、トイレ内で設置しなくなった背景と現在のシステムを尋ねたところ、両者とも運営方法を再検討するために廃止したと話していました。
無償で誰でも取れる状態だと、一度に大量の生理用品を持って帰られてしまうことが多く、補充が間に合わず在庫切れの状態が長引いてしまうとのこと。現在では利用者が生理用品が必要とした場合、台北メトロでは駅員さんに、学校では保健センターの職員にその旨を伝え、記録用紙に名前と借りた生理用品の種類を記載すると無償で得ることができます。
また別日には、台湾の非営利団体(小紅帽With Red(日本語訳:赤ずきん) が運営している月経博物館(正式名所は小紅厝:The Red House)を訪問しました。
台北市からバスで30分ほどの油化街の中にあります。こちらの月経博物館は世界で唯一の月経をテーマにした博物館で、月経が起こる仕組みや、月経にまつわるタブーなどを「体験しながら」学ぶことができます。博物館ではありますが、子宮に見立てた内装や店舗内のオブジェも現代アートのようで、老若男女が楽しめます。
なお、小紅帽With Redは上記美術館の運営以外にも、台湾国内に「トイレ内に無償の生理用品が設置されている状態」の普及活動も行っています。
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