「スリランカ西部州学校保健プロジェクト訪問・研究打合せ」
日時:2012年6月25日(月)~27日(水)
参加者:溝上哲也(国立国際医療研究センター)、黒谷佳代(国立国際医療研究センター)
文責:黒谷佳代
これまでにスリランカ西部州では、平成21年度~23年度に州政府と協力し、非感染症性疾患の予防に役立ち、かつ子供の幸福度を高める学校保健モデルを開発し、これを介入研究により検証しました。さらに、親や地域住民を巻き込み、地域への波及を図りました。今回の訪問では、その介入校とコミュニティを訪問し、介入の成果の視察を行いました。
介入校では、生徒自身が問題提起し、それに対する対応策を自分たちで考えディスカッションすることにより、学校や地域における健康からいじめまで多岐に渡る問題を解決していました。その結果、生徒の出席率が向上し、学校の環境も良くなっていました。
コミュニティでは、学校から地域に活動が波及したことにより、介入後、地域住民が集まって運動をするようになりました。さらに、活発なコミュニティでは、自分たちの活動を広めるため、村全戸に活動内容を記載したリーフレットを配布し、他の村にも家庭訪問をして知識を広める活動を行っています。
今回の訪問では、スリランカの現地カウンターパートである、コロンボ大学Samarasinghe教授、Gunawardena博士、健康増進財団Indrawansa氏と今後3年間の研究計画の打合せを行ないました。スリランカにおいても、女性の肥満・過体重の問題は深刻になっています。これまでの3年間の研究により、スリランカでは家族およびコミュニティの結びつきが強いことがわかっており、家庭における母親の影響は大きいと考えられます。そこで、肥満の母親の体重減少を目的とした介入研究を計画しています。今後、さらに現地カウンターパートと密に話し合い、よりより介入プログラムを開発し、スリランカ国における肥満対策に寄与できるエビデンスを構築していきたいと思っています。
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