ネパール - ラオス学校保健研修・概略
本研究会の理事の友川幸が、ラオスで行われた国レベルの行政官を対象とした学校保健研修の企画・運営を行いました主催 ラオス教育省、国立教育科学研究所、ラオス保健省、ラオス国立大学
共催 JICA ネパールSHNプロジェクト
後援 JICA ネパール、JICAラオス
技術協力 友川幸(信州大学教育学部)
詳細は、以下のHPを参照:
http://www.jica.go.jp/project/nepal/002/news/general/20120112.html
背景
ネパール学校保健・栄養改善プロジェクトでは、2008年度から2010年度まで毎年日本でカウンターパートのための学校保健分野の研修を実施してき た。2011年度は、ネパールと同様に、JICAの支援により学校保健のパイロットプロジェクトを展開してきたラオスにおいて現地視察および成果と課題を 互いに共有することで、今後の学校保健の展開の方策を検討する機会を提供した。
研修の目的
中央政府の学校保健行政担当者にはプロジェクトの持続性を高めるために今後取るべき方策を、そして地方開発行政担当者には学校保健を地方開発行政に組み込む方策を検討してもらう。
対象
ネパールJICA学校保健栄養プロジェクト関係者合計8名 (ネパールの国家計画委員会、保健人口省、教育省の行政の責任者や担当者5名、地方開発の責任者である各郡の地方開発官2名、SHNプロジェクトオフィサー)
期間 2011年12月23-30日 8日間
研修内容
両国の学校保健に関わる教育および保健の現状と課題の共有、両国の他の行政政策との統合に関する 情報共有(ラオス:学校の質の向上プロジェクト、ネパール、マルチセクトラル栄養プロジェクト)、教員養成学校での保健授業見学、プロジェクトサイトでの学校、HC見学、アクションプランの作成
1.研修は、以前JICAが学校保健分野で派遣した個別専門家のラオス側カウンターパートであった教育省初等教育局、教員研修局が中心となって実施され、地方視察ではラオス政府の教育省、保健省、ラオス国立大学の関係者も参加して学校保健の定着の度合いの確認も行われた。
2.ラオスの学校保健においては、保健省から薬剤や救急箱といった投入は見られず、カリキュラムへの導入など保健教育を中心とした活動が行われており、比較的低投入で持続性が確保されていた。
3.また、ネパールでは複数政党制の連立政権の下、利害調整のため意思決定に時間を要するのに対し、ラオスでは一党支配の政治体制化であるため意思決定が比較的容易であるといった国状の違いも見られた。
4.ラオス政府側からは、今度はラオス側がネパールの学校保健の実情を学ぶためにネパールを訪問したいとの要望も出された。
5.また、研修では、2011年に原案が作成されたネパールの保健人口省、教育省による共同行動計画の見直し も行われた。
6.今回の研修を通じ、学校保健に関する知識のみでなく、アジア各国の学校保健関係者間の相互交流の重要性 も認識された。今後は、今回の2カ国の研修で学んだことを踏まえ、学校保健分野の行動計画を見直し、そして現場で可能な取り組みを検討することが必要となる。
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