JICA沖縄での太平洋州に対する生活習慣病対策研修

報告日時:2023年10月16日
報告者:西尾彰泰

私は、2023年6月にWHOの西太平洋事務局から日本に帰ってきて、7月から沖縄科学技術大学院大学の保健センターで働いています。その縁もあり、今回JICA沖縄での生活習慣病対策研修のコースリーダーを担当したので、報告します。

研修は、太平洋州の国々(フィジー、トンガ、ミクロネシア連邦、サモア)を対象とし、沖縄県で9月末から2週間行われました。
今回の研修の注目すべき点は、学校保健活動を大きく取り上げたことです。
というのは、太平洋州の国々では、肥満が大きな問題となっていますが、実は子供時代にすでに肥満になっていることが知られています。これはアメリカや他の国と大きく異なっているところで、子供時代からアプローチすることの重要性が注目されています。

今回の研修では、自治体や職場レベルで行われている特定保健指導だけでなく、学校の給食制度や、学校で売っていい食品の規制、栄養教育や運動などが取り上げられました。
参加者も大いに関心を持ったようで、研修最後のアクションプラン発表会では、全員が学校で子供に対するプランを立案しました。

沖縄県は、かつては長寿県と有名でしたが、最近では肥満率全国1位など、様々な健康指標で最下位圏をさまよっています。似たような問題を共有する太平洋州の人々を呼んで、沖縄で生活習慣病対策の研修をするというのは、ナイスコンセプトだと思います。
小さい島々で構成される地理条件、アメリカの強い影響、気候や食生活、人口の規模感など似ているところが多いので、JICA沖縄の目玉の研修になって欲しいと思いました。

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