マイヤー清水 幸子
大阪大学大学院 人間科学研究科 共生学系 国際協力学
博士課程
主な研究分野
衛生教育、衛生行動変容、西アフリカ地域研究
主な活動経験・調査経験
(衛生関連の調査団経験)
・2011年9月、セネガル向けJICA無償資金協力「農村地域における安全な水の供給と衛生環境改善計画」協力準備調査において、タンバクンダ州とケドゥグ州の農村地域における現地調査に参団。
・2012年1月、ハイチ向けJICA無償資金協力「レオガン市復興のための給水システム復旧整備計画」協力準備調査において、レオガン市を中心に現地調査に参団。
・2013年5月、大使館から対ガボン草の根無償資金協力案件のマバンダ市給水網整備計画に関する視察調査を実施。
・2021年5月と2022年3月に、大使館から対ニジェール草の根無償資金協力案件の発掘・計画のため、ニアメ市内の小学校3校において視察調査を実施。
(研究調査経験)
・2022年~2023年にかけ、コートジボワールのブアケ市において初等・中等教育機関における衛生教育に関し、2014年の西アフリカにおけるエボラ出血熱蔓延時に衛生教育を受けた世代である大学生を対象にインタビュー調査を実施。
・2024年3月に、遠隔から、ブアケ市の中学校で衛生教育を担当する現職教員を対象としたインタビュー調査を実施。
(保健関連のボランティア活動)
・2006年から2011年まで、フランスのNGO「メドゥサン・デュ・モンド(世界の医療団)」で仏語プレスリリースの日仏・仏日翻訳、アドボカシー啓発活動に参加。
・2008年9月から11月まで、国連広報センター(UNIC)でインターン後、2009年3月まで同センターでMDGs関連文書やプレスリリースの英日翻訳ボランティアを実施。
パーソナルヒストリー
子供が幼少期の子育て中に家族で滞在したスイスで、コンゴ民におけるフランスのNGO「メドゥサン・デュ・モンド」や国境なき医師団の支援活動のことを知り、メドゥサン・デュ・モンドや国連広報センターで翻訳ボランティアや啓発活動に参加。
日本に帰国後、JICAにおいて、セネガルとハイチ向け無償資金協力の給水・衛生案件の現地調査に参団。その後、ミクロな支援に関心を持ち、大使館から、ガボンで草の根無償資金協力の給水案件調査、ニジェールで小学校における学習・衛生環境調査を実施。
研究では、南部は湿潤地帯、北部は乾燥地帯で、多くの伝染病が流行しやすいコートジボワールにおける衛生教育に関心を持ち、コートジボワールの衛生教育の形成過程を知るため、同国の歴史、社会状況、教育事情の文献研究を行う。また、現地調査において衛生教育の実態と、同教育が人々の衛生行動に及ぼす影響について聞き取り調査を実施。
メッセージ
新型コロナウイルス感染症が終息した後、仕事で赴任したコートジボワールやブルキナファソでは、街のレストランにおいて、現地の多くの人たちはレストランに到着すると、食事前に、ごく自然な習慣として、手洗い場で石鹸を使って手を洗っている光景を目にしました。手洗いは、感染症予防のためだけでなく、感染リスクを避け地域社会を守り、自分だけでなく、他の人々を尊重する姿勢の表れであり、学校と家庭で行われる衛生教育の大切さを実感しました。
フランスでは、衛生教育は18世紀に学校の父兄たちの強い要望により感染予防方法として広まり、1860年代に学校衛生が開始されました。仏語圏アフリカでは、フランス領西アフリカ時代の1903年から、読み書き、農業と共に、衛生を学ぶようになったとのことです。衛生教育は、単なる健康のための教育ではなく、人権や人間の尊厳にもつながる奥の深い教育だと思います。
ウェブサイト&研究者情報
https://researchmap.jp/37-75016